チーズのこえ をはじめた背景

改めて、なぜチーズのこえだったのか。
いろんな取材のなかで、お話をする機会が増えていますが、決断の背景について書いておきます。

チーズから価値を生み出す。
事業構想は、もっと大きく、深い。
私の描く世界、未来は、もっと先にあります。
—-
これからの事業創生にあたって、3つの要素が必要。

一つ目は、深層ニーズをタイムリーに捉える「ひらめき」だ。価値命題の刷新や再定義は「ひらめき」がベースになり、原動力となる。なぜなら、価値命題はビジョンと直結した「自分のありたい世界観」、すなわち主観、強い思いがベースになっているからだ。こういう世界をつくりたいという強い思いからスタートしている必要がある。儲かれば何でもよいのではなく、市場分析の結果ですらない。そうしたひらめきを得るためには、個人としての高い志とそこからくる研ぎ澄まされた問題意識を持ち、その網の目に飛び込んでくる、目を見開かされるような気付きや出会いを捕捉することが重要だ。
自分の思いを問い続ける果てにでてくる、「もうこれしかないな」「こういう価値こそ、これからのカギだ」「こういう世界を作るべきだ」「そうか、そういうことだったのか」というような形での熟慮を重ね、もがいた末の苦し紛れの知恵の結晶として、ひらめきは訪れる。

二つ目の要素は、気付きや出会いを形にしていく「ビジネス構想力」だ。これは、ひらめきをビジネスに結びつける直観に依存する部分が多い。また、ビジネスモデルの改編では既存の枠組みを壊したり、しがらみを解きほどくことが必ず要請されるため、フレキシブルな精神や多様な打ち手を用意できる懐の深さ、実行能力の高さにもかかわる。「困難かもしれないが、なんとかいけるのではないか」という直観だ。
大きな社会の枠組みまで視野に入れる目線の高さや問題意識の深さなど、ダイナミックな発想力と自信がモノをいう。これらは理論や机上の学習では決してあることはできない。実践の只中での判断と経験の積み重ねからのみ得られる実践知だ。強い価値命題は深い経験の産物でもあるのである。

三つ目の要素は、こうしたダイナミックなビジネス構想力を刺激し、価値命題を膨らませ、ほかにはない大きなインパクトを生み出すように、現場をドライブするリーダーの有する「グローバルな知の交差点」である。慣れ親しんだ世界だけでしか通用しない常識や情報、あるいは真実を排除してしまうしがらみに囲まれて、物事を判断することに疑問を感じないようでは、イノベーションは生まれない。
グローバルな知の繋がりを得ることにより、柔軟かつ大胆な発想が可能になるのは当然で、それが挑戦心に火をつける。その背景には、リベラルアーツに造詣深く、歴史の風雪に耐えた世の中の本質を見極め、正しい骨太な方向性を見いだす努力を欠かさず、より普遍的な価値命題の発見を志向し、世界を変える挑戦に自らを駆り立てている。